靴下を履いて寝るのはNg?冷え性悪化の真相と睡眠専門医の正解

靴下を履いて寝るのはNg?冷え性悪化の真相と睡眠専門医の正解

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「靴下を履いて寝ると冷え性が悪化する」という噂は、都市伝説ではなく確かな人体の生理現象に基づいています。その背景には、人間が眠りにつくときに働く深部体温と睡眠の質の密接な関係が存在します。

人の体は、活動的な日中は内臓や脳の温度(深部体温)を高く保ち、夜になると手足の末梢血管を拡張させて熱を逃がし、深部体温を急激に下げることで深い眠り(ノンレム睡眠)へと移行します。このとき最大の放熱器官として機能するのが「足の裏」と「手のひら」です。足先に熱を集めて外気へ逃がすプロセスこそが、脳を眠気へと導く重要なスイッチなのです。

ところが、一般的な日中用の靴下を履いたまま布団に入ると、この放熱ルートが物理的に遮断されます。熱が足先にこもることで脳は「熱を放出せよ」と過剰な指令を出し続け、足の蒸れと発汗メカニズムが暴走してコップ1杯分(約200ml)以上の汗が足裏から分泌されます。分泌された汗は靴下の生地に吸収されますが、通気性が不十分な繊維では乾ききらず、時間とともに冷気に晒されて冷たくなります。

これが「汗冷え」と呼ばれる現象です。温めるために履いたはずの靴下が、夜中には氷嚢のような冷却パックへと変わり、結果として冷え性悪化の理由を作り出してしまうのです。さらに足先が冷えると血管が収縮し、末端の血行不全が慢性化するという悪循環に陥ります。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。