ドロンジョを生み出したタツノコプロの創造力は、日本のアニメーション産業全体に計り知れない影響を与えた。正義の味方であるヤッターマン側以上に、悪役であるドロンボー一味(ドロンジョ、ボヤッキー、トンズラー)に人間味あふれる愛嬌と悲哀を詰め込んだことは、当時のアニメ界における大革命だった。
完璧な正義よりも、失敗を重ねながらも懸命に生きる悪役にこそ人間味を感じてしまう。タツノコプロが仕掛けたこの反転の構造は、その後のサブカルチャーにおける悪役像の規範となった。ドロンジョの仮面の裏にある素顔や弱さへのスポットライトは、現代のヴィラン映画の世界的潮流を先取りしていたと言っても過言ではない。