正方形の間取りが持つ最大の罠、それは「中央に無駄なデッドスペースが生まれやすい」ことにある。長方形の部屋であれば自然と奥行きが生まれ、家具を左右の壁沿いに沿わせるだけでスムーズな流れが完成する。しかし、正方形では四方に均等な余白が散らばってしまい、結果として部屋の中心に家具が集まりがちになる。
この「壁際のデッドスペース」と「中央の混雑」こそが、視覚的な圧迫感を生み出す真犯人だ。入口から入った瞬間に目に入る視線の終着点(フォーカルポイント)が遮られていると、人間は部屋を「狭い」と直感的に判断してしまう。この心理的錯覚を解き明かすことこそ、快適な部屋作りの第一歩となる。