松本のストイックな仕事ぶりは父親譲りだ。コンサート演出においてミリ単位の照明や音響のタイミングにこだわる姿勢は、妥協なく職務を全うする父親の生き方と重なる。幼い頃、父と過ごす時間は長くなかっが、背中で語る生き方が少年の心に深く刻み込まれた。
母の存在もまた、彼の感性を育てるうえで欠かせない。忙しい時期でも栄養バランスを考えた手料理を作り続けた母。松本が過酷な撮影現場に挑む際、体調管理を徹底するのは母からの助言が根底にある。
「家族の前では普通の弟であり、息子になれる」。多大なプレッシャーに晒されながらも自分を見失わずにいられるのは、実家というブレない軸が存在するからだ。