率直に言えば、すべての百科事典が高値で取引されるわけではない。市場に溢れ返っている1970年代から80年代の旧版は、情報のアップデートが止まっていることや保管場所の問題から、古本買取業界でも買取不可あるいは数十円程度の廃棄前提査定となるケースが珍しくないのだ。
ところが、例外が存在する。それが「改訂新版 世界大百科事典」(全34巻セットなど)だ。状態が極めて良好であり、別巻や補巻、地図帳などが欠品なく揃っている場合、数千円から、保存状態や市場の需要によっては1万円前後の値がつくこともある。単体での価値というより、フルセットとしてのコンプリート性に価値が宿るのだ。中途半端に数冊抜けているだけで、価値は暴落する。価格は一律ではない。ここが運命の分かれ道だ。