大企業からの不当な要求に屈せず、法廷闘争へと舵を切った社長の島野幸弘氏。その姿は、小説やドラマで社会現象となった『下町ロケット』のリアル版として語り継がれている。経営破綻のリスクトラブルを背負いながらも、技術者の矜持と社員の雇用を守るために戦い抜いた彼の決断は、多くの経営者の共感を呼んだ。
「技術を奪われ、下請けとして淘汰されるくらいなら、正々堂々と戦う」。島野幸弘氏が貫いた信念は、単なる企業の利益追求を超えた「技術の価値を守るための闘争」であった。妥協を許さないその姿勢は、大手メーカーの言いなりになりがちだった日本の下請け構造に一石を投じた。