徹底的な解剖と現場検証の結果、ミコトと中堂は決定的な法医学的事実に到達します。9番目の遺体の正体は、かつて札付きの不良として親から勘当されていた青年・町田三郎でした。
遺体の腰に残されていたロープの痕は拘束されたものではなく、ビルにあった消防用ホースを自らの体に巻き付けた命綱の跡でした。火災発生時、雑居ビルの2階スナックにいた三郎は、煙が充満するフロアから窓の外へ仲間たちを次々と脱出させていたのです。後頭部の陥没骨折は、意識を失いかけた仲間を担ぎ上げる際に崩落した建材の直撃を受けたものであり、背中の激しい火傷は火の粉を浴びながら仲間をかばい続けた盾となった証拠でした。
三郎は放火犯でもリンチの被害者でもなく、自らの命を犠牲にして何人もの友人を救い出した英雄でした。放火殺人というネット上の憶測や警察の初動見立てを、UDIラボの執念のメスが鮮やかに覆した瞬間です。ゲスト出演者として頑固一徹な三郎の父親・町田栄吉役を演じたミッキー・カーチス、母親・定子役の原扶貴子による重厚な演技が、この凄絶な真実に圧倒的なリアリティを与えました。