アリを狂わせる甘い毒の刺客フサヒゲサシガメの恐るべき暗殺術

アリを狂わせる甘い毒の刺客フサヒゲサシガメの恐るべき暗殺術

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「暗殺昆虫」の異名をとるフサヒゲサシガメの真骨頂は、その腹部下面に存在する「Trichome(腺毛領域)」と呼ばれる特殊な分泌腺にある。この器官から分泌される液滴は、周囲を徘徊するアリにとって抗い難い甘美な香りを放つ。獲物となるアリがその甘い液を舐め始めた瞬間、甘美な罠は死の罠へと一変する。分泌液に含まれる神経毒性成分が即座にアリの運動神経を麻痺させ、抵抗力を完全に奪い去るのだ。

動けなくなったアリに対し、フサヒゲサシガメはためらうことなく頑丈な口吻を刺し込む。注入された強力な消化酵素によってアリの内臓はあっという間に液状化し、吸い尽くされて空っぽの殻だけが残される。無駄のない残忍な狩りのプロセスは、一度目撃すれば忘れられないほど鮮烈だ。

山田 真由
著者

山田 真由

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