韓国における茶文化は独特の進化を遂げてきた。茶葉(チャノキ)を用いた緑茶以上に、穀物や果実、薬草を煎じた「伝統茶」が家庭の日常に深く根を張っている。その代表格が、焙煎したとうもろこしの粒を煮出す「オクスス茶」だ。
起源をたどれば、過酷な冬を越すための知恵や、水質の異なる地域で美味しく安全に水分を摂るための生活防衛から生まれたとされる。とうもろこしの香ばしさと自然な甘みが油っこい肉料理や刺激の強いチゲの辛味を絶妙に中和するため、韓国料理店では欠かせない名脇役として定着した。
現在でもソウルの家庭では、大きなやかんに大容量のティーバッグを放り込み、冷蔵庫に常備しておくのが日常風景だ。気取った健康食品ではなく、生活に溶け込んだ基本の水分補給として君臨し続けている。