美浦トレーニングセンターの朝靄のなか、白いキャップをトレードマークに熱心に自厩舎の馬たちを見つめる姿は、今なお若々しいエネルギーに満ちています。ファンや関係者の間では「もう定年なのか」と惜しむ声が絶えませんが、今回の引退理由は病気やトラブルによるものではなく、JRAが定めた「調教師定年制(70歳満了)」ルールに基づく順当な勇退です。
1955年4月14日生まれの国枝調教師は、満70歳を迎えた免許年度末である2026年2月をもって調教師免許の返上を迎えるスケジュールとなっていました。競馬界ではどれほど名声を得たトップトレーナーであっても例外なくこの規則が適用されます。名門厩舎の解散が近づくにつれ、所属スタッフの再就職先や預託馬の引き継ぎといった引き継ぎ作業が水面下で進められつつも、厩舎の調教現場には最後まで1勝を貪欲に掴み取ろうとする厳たる勝負師の気迫が漂っています。