日本国内の学術機関も、この特異な昆虫が持つポテンシャルに強い関心を寄せている。国立科学博物館の展示や調査コレクションにおいても、熱帯雨林の多様性を象徴する重要標本としてサシガメ類の進化系統が紹介されてきた。
日本昆虫学会をはじめとする国内の学会発表でも、アリ特異的な誘引物質の化学構造や、生体防御物質に対する耐性機構について活発な議論が交わされている。アリの巣の近傍という「危険地帯」を狩場に変えてしまう生存戦略は、生態系におけるニッチ(生態的地位)の獲得競争において、ひとつの究極形を示していると言えるだろう。