花の流通と贈り方も劇的な変容の最中にある。かつては街の生花店に足を運んで対面で購入するのが当たり前だったが、現在はスマートフォンひとつで完結するデジタル贈答が定着した。
老舗の風格を保ちながらオンライン展開を加速させる日比谷花壇のようなトップランナーは、誕生花に合わせた季節限定のアレンジメントや、花言葉を記したオリジナルカードを添えるきめ細やかな提案で支持を集める。一方、住所を知らなくてもSNS上で手軽に送れるLINEギフトの台頭は、20代から40代の若年・現役世代におけるフラワーギフト産業の裾野を一気に押し広げた。
「相手の誕生日当日に思い立っても、即座に心のこもった生花や鉢植えの引換チケットを贈れる」という利便性は、現代のライフスタイルに完全に合致している。デジタル技術が、人と人との情緒的なつながりをむしろ濃密に橋渡ししている格好だ。