聖夜決戦編の核をなすのは、何と言っても「黒龍(ブラックドラゴン)」十代目総長・柴大寿の圧倒的な存在感だ。それまでの敵役とは一線を画す異次元の武力と、宗教的厳かさを漂わせる異常な威圧感。彼がもたらす恐怖は、視聴者に逃げ場のない絶望感を叩きつけた。
家庭内暴力という重く生々しいテーマを背負った柴家の悲劇。兄の暴政に怯える八戒と、弟を護るために犠牲となり続けた姉・柚葉。この歪んだ家族関係に泥足で踏み込んだタケミチの姿こそが、物語のクライマックスへ向けた強力な推進力となった。
圧倒的な力量差を前に何度も叩きのめされながら、血反吐を吐いて立ち上がるタケミチ。彼が示した「折れない心」が大寿という絶対的君主の精神を揺さぶるプロセスは、カタルシスの頂点と言っても過言ではない。