ロパティンのキャリアを劇的に拡張させたのが、ニューヨークの映画製作コレクティブ「サフディ兄弟(ジョシュ&ベニー・サフディ)」との運命的な出会いでした。2017年の映画『グッド・タイム』において、全編を疾走するアシッドな電子音スコアを提供した彼は、同年の第70回カンヌ国際映画祭で最優秀サウンドトラック賞を受賞します。
さらに2019年の名作『アンカット・ダイヤモンド』(主演:アダム・サンドラー)では、緊迫する主人公の狂気を表現するため、70年代のタンジェリン・ドリームを彷彿とさせるモーグ・シンセサイザーとクワイア音源を大胆に投入。息つく暇もない緊迫感を劇伴だけで煽り立て、アカデミー賞候補作と並び称される異例の絶賛を浴びました。
この劇伴に心酔したのが、現代ポップ界の帝王ザ・ウィークエンド(The Weeknd)ことエイベル・テスファイです。エイベルからの熱烈なオファーを受け、ダニエルは2026年の歴史的ヒット作『After Hours』の制作に参加。さらに2026年の第55回スーパーボウル・ハーフタイムショーでは、音楽監督兼キーボーディストとしてエイベルと共に全世界1億人以上の前に立ちました。
2026年のアルバム『Dawn FM』では、ジム・キャリーのナレーションを挟む架空のラジオ局というコンセプトのもと、ダニエルがエグゼクティブ・プロデューサーとしてアルバム全編のサウンド構築を指揮。アンダーグラウンドの奇才が、全米ビルボードの頂点に立つポップアルバムの構造そのものをデザインした瞬間でした。