無香料製品を初めて購入する消費者が最も陥りやすい落とし穴が、「無香料」と「無臭」の混同です。この2つは化学的にも工業的にも全く異なる概念です。
「無香料」とは、製品の香りを良くする目的で調合香料(合成香料・天然香料問わず)を意図的に添加していない状態を指します。しかし、シャンプーの主原料である界面活性剤、植物エキス、防腐剤、キレート剤などには、それぞれの物質固有の匂い(基剤臭・原料臭)が存在します。通常のシャンプーは、この原料特有の油っぽい匂いや酸味を隠す(マスキングする)ために強い香料を配合しています。
したがって、無香料シャンプーを開封した際、「わずかに油脂のような匂いがする」「薬品っぽい淡い匂いがある」と感じるのは、香料で誤魔化していない証拠であり、品質上の異常ではありません。
もう一つの盲点は「無添加」という表記への過信です。「無添加」と一口に言っても、「香料無添加」なのか「シリコン無添加」なのか「防腐剤無添加」なのかはメーカーによって定義がバラバラです。香料が無添加であっても、強力な高級アルコール系洗浄成分(ラウレス硫酸Naなど)が高濃度で配合されていれば、頭皮への脱脂力が高すぎて乾燥やかゆみを招くケースがあります。パッケージ表面の「無添加」の大きな文字だけに惑わされず、裏面の全成分表示を確認するリテラシーが求められます。