ネモフィラじゃない?茨城県の花が「バラ」に選ばれた真相を徹底解説

ネモフィラじゃない?茨城県の花が「バラ」に選ばれた真相を徹底解説

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ネット上のQ&AサイトやSNSの投稿を検証すると、「茨城県の花はネモフィラだと思っていた」「水戸の偕楽園があるのだから梅が県花ではないのか」といった誤認が後を絶ちません。この混同が生まれる背景には、観光プロモーションにおける露出度と、公式シンボルの定義との間に生じている「認知のねじれ」が存在します。

水戸藩第9代藩主・徳川斉昭が領民の休養と梅の実の非常食確保を目的に造成した偕楽園は、日本三名園の一つとして全国にその名を知られています。そのため、「茨城=梅」という記号は幕末から明治・大正・昭和を通じて日本人の集合的無意識に深く刷り込まれました。しかし、茨城県の制度上、ウメは県花ではなく「県木」として1966年に同時に指定されています。花ではなく「樹木」としての位置づけを与えることで、水戸の梅の歴史的威厳を保ちつつ、県花には古代の県名由来であるバラを据えるという見事な調和が図られたのです。

さらに2010年代以降、国営ひたち海浜公園の「みはらしの丘」を覆い尽くすネモフィラがインバウンドを含む世界的ブームを巻き起こしました。約530万本が織りなす青のパノラマは茨城観光の代名詞へと駆け上がりましたが、ネモフィラは北米原産の一年草であり、歴史的な郷土性を持つ自治体シンボルとは本質的に立ち位置が異なります。「歴史的根幹を担うバラ」「地域の誇りである県木のウメ」「近現代の観光フロンティアを切り拓いたネモフィラ」という3者の役割の違いを把握しておくことが、茨城の自然文化を正しく理解するための第一歩となります。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。