女性が脇毛を生やすことに対して投げかけられがちな最大の批判が「不衛生」「ズボラ」というレッテルです。しかし、現場のリアルな当事者たちを取材・検証すると、この批判が事実無根の思い込みであることが分かります。
実際にあえて脇毛を生やしている女性たちの多くは、毛の有無に関わらずデオドラントケアや洗浄、肌の保湿を徹底して行っています。むしろ、毎日のカミソリ処理によって皮膚のバリア機能が破壊され、毛穴に細菌が入って炎症を起こしたり黒ずみが生じたりするリスクのほうが、皮膚科学的にも衛生上の懸念となります。
また、脇毛を生やす行為は「放置」ではなく「意図的なスタイリング」であるケースが少なくありません。長さを均一に整えるトリミングを行ったり、オーガニックオイルで毛質を柔らかく保ったり、前述のカラーリングを施したりと、丁寧なパーソナルケアの一環として管理されています。
男性が腕毛や脇毛を生やしていても「不潔」と糾弾されることが稀であるのに対し、女性にだけ完全な無毛状態を強いるのは、客観的な衛生問題ではなく社会的に刷り込まれた美意識の偏り(ジェンダー非対称性)に起因していると言えます。