結論から明言すると、スティーブ・ヴァイの指は左右ともに通常の5本(計10本)です。医学的な多指症(ポリダクティリー)ではなく、彼の手は解剖学的に標準的な構造をしています。
それにもかかわらず、なぜ「指が6本ある」という噂が世界中で定着したのでしょうか。その最大の要因は、人間の骨格の限界を超えているように見える圧倒的なワイドストレッチと独立したフィンガリングにあります。ヴァイは人差し指から小指までを6フレット〜7フレット以上にわたって無理なく開帳させ、それぞれの指が完全に独立した力加減とスピードで弦を捉えます。この光景を初めて目にした観客が「指がもう1本多くなければ物理的に説明がつかない」と比喩表現を使ったことが、噂の原点となりました。
ネット上のギターコミュニティやSNS(X、旧Twitter)でも、「ライブ映像のスロー再生を見ても指が増えているように錯覚する」「小指の届く範囲が異常すぎる」といった書き込みが後を絶ちません。つまり「指6本説」は、彼の技術があまりにも人間離れしていたために生まれた、最高の賛辞としての都市伝説なのです。