国木田独歩を語る上で欠かせないのが、相棒である太宰治との特異な信頼関係です。一見すると、几帳面でスケジュールを秒単位で刻む国木田と、奔放で自殺嗜癖を持つ太宰は水と油に見えます。しかし、太宰が探偵社に入社した際、福沢社長から直々に「太宰の監視役・パートナー」として指名されたのが国木田でした。
太宰は国木田の愚直なまでの「正義感」と「理想」を誰よりも高く評価しています。太宰自身の言葉にもある通り、国木田は「探偵社の魂」そのものです。他者の命を切り捨てることができない青臭さこそが、ポートマフィアのような冷酷な組織と武装探偵社を分かつ決定的な防壁となっています。
福沢諭吉もまた、自らの後継者=武装探偵社の次期社長として国木田を指名しています。「正しい道を選び、正しく傷つく」ことのできる国木田の存在は、どれほど世界が混沌に呑まれようとも探偵社が道を踏み外さないための絶対的な羅針盤なのです。