市道真央としてカメラの前に立ち、身体全体を使って感情を表現していた経験は、声優「M・A・O」の活動においても間違いなく強靭な武器となっている。実写の世界で培われた空間把握能力やキャラクターの息遣いを捉える直感は、マイク前という制約のある空間で凄まじい爆発力を発揮する。
俳優から声優への転身は決して平坦な道ではない。発声法やマイクワーク、尺への合わせ方など、技術的な壁にぶつかる役者も多い中で、彼女は持ち前のストイックさでそれらを瞬く間にクリアしていった。転身初期に見せた貪欲な吸収力こそが、現在の揺るぎない土台を築き上げた原点と言える。