『ホルス』の失敗後、東映動画内での彼らの立場は厳しくなった。宮崎と高畑は新天地を求めて移籍を繰り返す。その中で手がけたのが、TVアニメ『ルパン三世(第1シリーズ)』の後半の演出だった。
当初、視聴率低迷に喘いでいた番組を立て直すため、二人は「Aプロ演出グループ」として急遽ピンチヒッターに立つ。ここで宮崎は、ルパンにフィアット500という大衆車をあてがい、泥臭くも人間味溢れるアクションを詰め込んだ。現在も語り継がれるルパンの「軽妙さと哀愁」のベースは、この時の宮崎の荒削りなアイデアから生まれている。