たけしは当時、自身の番組や対談において、戸塚ヨットスクールの校長である戸塚宏に対して極めて冷ややかな、しかし冷静な分析を行っていた。単に「暴力は悪だ」と切り捨てるのではなく、その暴力が生まれる土壌と、それを容認してしまう親たちの「育児放棄」を鋭く突いたのだ。
「親が教育をあきらめて、金を払って他人に殴らせているだけじゃないか」。たけしのこの指摘は、教育という美名の下で行われていた責任転嫁の本質を暴いていた。感情論でヒステリックに叫ぶコメンテーターたちとは一線を画す、冷徹なリアリストとしての顔がそこにあった。