SNSやネット掲示板、Q&Aサイトなどでは、「爪切りやカッターで魚の目の芯をほじくり出した」「ハサミで切ったら治った」といった体験談が散見されます。しかし、日本皮膚科学会の専門医やフットケア指導士への取材によると、こうした自己処置は極めて高いリスクを伴う危険行為です。
現場の医療機関には、魚の目を自分で取る危険性を軽視した結果、以下のような重篤な合併症を引き起こして来院する患者が後を絶ちません。
- 深部組織の細菌感染・蜂窩織炎(ほうかしきえん):不衛生な刃物で真皮や皮下組織を傷つけ、黄色ブドウ球菌などが侵入して足全体が赤く腫れ上がり、歩行不能や発熱に至るケース。
- ウイルス性イボの爆発的自己感染:イボを魚の目と勘違いして削った結果、傷口からウイルスが周囲や手に飛散し、1箇所だった病変が足裏全体に十数個へと多発・拡大するケース。
- 瘢痕(はんこん)形成による再発悪化:正常な皮膚組織までえぐり取ってしまい、傷が治る過程で硬いケロイド状の瘢痕組織が形成され、以前よりも強い痛みが慢性化するケース。
特に糖尿病や下肢閉塞性動脈硬化症などの基礎疾患を抱えている方の場合、足裏の小さな傷から組織が壊死し、重篤な足病変へ進展する恐れがあります。自己判断による切除は絶対に避けなければなりません。