イエローテンパランスを語る上で外せないのが、シンガポール市内およびケーブルカー内で繰り広げられた花京院 偽物による心理サスペンスです。ラバーソールはスライム状のスタンドを精密に成形・着色することで、体格、人相、声質、さらにはスタンド「ハイエロファントグリーン(法皇の結界)」の外見まで完璧に模倣してみせました。
しかし、外見の擬態は完璧であっても、ラバーソール自身の品性下劣さと残虐性までは覆い隠せませんでした。読者と視聴者に強烈なトラウマとインパクトを与えたのが、以下の異常行動の数々です。
- カブトムシの捕食:道端で捕まえた生きたカブトムシを、平然と口に放り込んでバリバリと咀嚼する異常な食性。
- スリの少年への制裁:財布をすろうとした少年の手首を情け容赦なく締め上げ、関節をへし折る過剰な暴力。
- 伝説の「レロレロ」描写:サクランボの軸を持ったまま、舌先で高速回転させながら「レロレロレロレロ…」と奇妙な音を立てて弄ぶ奇行。
のちに本物の花京院典明もサクランボを食べる際に同様の癖を披露したことで、承太郎を戦慄させるギャグへと昇華されましたが、偽物が見せた生理的嫌悪感と不気味さは、第3部序盤におけるサスペンス演出の最高峰として現在も高く評価されています。
なお、メディア展開におけるイエローテンパランスの声優(ラバーソール役)は、テレビアニメ版では変幻自在の怪演を見せた福島潤氏が担当。ゲーム作品では岸尾だいすけ氏や神谷浩史氏が声を担当しており、花京院役の平川大輔氏のトーンを模倣しつつ、本性を現した瞬間のゲスな本性を爆発させる名演が話題を呼びました。