一般に「TOEIC」と呼ばれる公開テスト(TOEIC Listening & Reading Test)の満点は、1000点ではなく990点です。試験はリスニングセクション(約45分間・100問)とリーディングセクション(75分間・100問)の計200問で構成され、配点の内訳は以下の通り厳密に設計されています。
- リスニングセクション:5点〜495点(5点刻み)
- リーディングセクション:5点〜495点(5点刻み)
- トータルスコア:10点〜990点(5点刻み)
なぜ「キリの良い1000点満点」にしなかったのか。その背景には、開発元である米国の非営利テスト開発機関ETS(Educational Testing Service)が誇る厳密なテスト理論と心理測定学(Psychometrics)のアプローチが存在します。
ETSの設計思想において、言語運用能力という流動的な能力に対して「1000点満点=神のごとき完全無欠の英語力」という絶対的な評価を下すことは学術的に妥当ではないと判断されています。TOEICはあくまで「ある一定の言語環境におけるコミュニケーション能力の測定尺度(Scale)」として機能させるため、上限をあえて495点ずつの合計990点、下限を各5点の合計10点という相対的なスケールスコアに定めた経緯があります。