新宿駅西口を出て徒歩数分、昭和の面影を色濃く残す雑居ビルの階段を上がり2階の扉を開けると、そこには壁一面のガラスショーケースと、所狭しと並べられたカメラボディやレンズの山が広がっています。現代的な整然としたリユースショップとは全く異なる、独特の熱気と密度が漂う空間です。
中古カメラファンの間で「新宿中古カメラ市場」の評判が極めて高い最大の理由は、圧倒的な在庫密度と独自の仕入れルートにあります。1950〜1970年代の国産一眼レフ(ニコンF、キヤノンF-1、オリンパスOMシリーズ等)はもちろん、M42マウントをはじめとするクラシックなオールドレンズ、中判・大判カメラ、さらにはライカを中心とするレンジファインダー機まで、専門性の高い機材が常時数千点規模でストックされています。
多くの大手カメラ店が流通効率を重視して「良品以上のデジタル機材」へシフトする中、同店は修理前提のベース機やマニアックなアクセサリー、コレクターズアイテムを愚直に扱い続けてきました。カメラ愛好家の間では「他店で見つからなかったパーツや特殊なマウントアダプターが、ここに来ればあっさり見つかる」と語り継がれており、その確かな品揃えが数十年にわたる信頼を支えています。