2006年11月に深夜枠で産声を上げた『ザ・ベストハウス123』は、斬新な演出とスピーディーなテンポが支持を集め、わずか数か月後の2007年1月に水曜21時のゴールデンタイムへ昇格を果たしました。ビデオリサーチ(関東地区)の調べによると、ゴールデン進出直後からコンスタントに15%前後の高数値を記録し、2008年前後には番組最高視聴率18.1%を叩き出すなど、フジテレビの看板番組へと急成長を遂げました。
しかし、栄華を誇った人気番組も2012年3月をもって約5年半の歴史に幕を下ろすことになります。当時囁かれた「視聴率の急落」という単純な言説の裏には、テレビ業界の構造変化と番組コンセプトの変容という複合的な要因が存在していました。
最大の転換点となったのは、番組中盤から顕著になった「感動エピソード路線への過度な傾倒」です。初期の魅力であった「驚きの珍百景」「世界の面白雑学」「驚愕の凄腕職人」といったライトで知的好奇心を刺激するプレゼンから、難病と闘う家族の記録や凶悪事件の真相といった重厚な海外実録ドキュメンタリーが放送尺の大半を占めるようになりました。
報道各社の取材や当時の制作デスク周辺の証言によると、この路線変更によって一時的に数字を維持できたものの、海外エージェントからのドキュメンタリー映像買い付け費用や取材渡航費が跳ね上がり、制作コストが番組初期の約1.8倍に膨張。2011年に入ると視聴率が10%を割り込む回が散見されるようになり、費用対効果の悪化とフジテレビ全体の番組改編方針が重なった結果、総合的な判断として打ち切りが決定されたのが実情です。