現在、全国的な共通語として通用している「指スマ」という言葉。しかし、児童遊戯の歴史において、この名称は最初から存在していたわけではありません。
このゲームの呼称を決定づけたのは、1990年代後半から2000年代にかけて絶大な人気を誇ったフジテレビ系のバラエティ番組『SMAP×SMAP』(スマスマ)の特別企画コーナーでした。番組内で木村拓哉さんらメンバーが「指スマ、1!」「指スマ、2!」とリズミカルにコールして勝敗を競う姿が全国へ放映され、瞬く間に当時の小中高生の間で社会現象となったのです。
番組における公式ルールは極めてシンプルかつ洗練されたものでした。
- 基本姿勢:参加者全員が両手をグーの形にして前に出し、親指を立てる準備をする。
- コールの合図:順番に「指スマ、〇(数字)!」と叫びながら、自分自身も任意の親指(0本、1本、2本)を立てる。
- 判定:コールした数字と、全員が実際に立てた親指の合計数が一致すれば成功。
- 勝利条件:宣言を的中させたプレイヤーは片手を下ろす。両手を先に下ろしたプレイヤーから順に勝ち抜けとなる。
民俗学的な見地から遡ると、この遊びの原型は江戸時代の「本拳(ほんけん)」や中国由来の「酒令(しゅれい)」といった手指を使った数当て勝負にまで行き着きます。古くから宴席や子どもの路地裏遊びとして存在していた名もなき伝承ゲームに、テレビメディアが「指スマ」という強力なブランド名を与え、全国に均一なルールとして再定義した好例といえます。