日本の旅行者が最も頭を悩ませるのが「ウィーン オペラ座の服装(ドレスコード)」です。結論から言うと、初日プレミア公演や大晦日のジルヴェスター公演、舞踏会(オーパンバル)を除き、一般的な通常公演ではタキシードやイブニングドレスを着用する必要はありません。
ただし、座席カテゴリーに応じた「場の空気感(ドレスコードのグラデーション)」を理解しておくことが大切です。
- 平土間・ボックス席(高価格帯):男性はダークスーツにネクタイ、またはジャケット着用。女性は上品なワンピースやセットアップが標準。周囲も華やかな装いが多く、過度なラフさは浮いてしまいます。
- バルコニー・ギャラリー・立ち見席:襟付きシャツ、スラックス、清潔なセーターなど、いわゆる「スマートカジュアル」で全く問題ありません。ジーンズを着用している現地の若者も見かけます。
- 避けるべき服装(全席共通):短パン、タンクトップ、ビーチサンダル、ダメージジーンズなどは劇場の品位を損なうため避けるのがマナーです。
また、絶対に押さえておきたいのが「クローク(Garderobe)の利用規則」です。ウィーン国立歌劇場では、コート類、大きなリュックサック、傘、かさばる荷物を客席内に持ち込むことが消防法および劇場規則で厳しく禁じられています。入場後はまず指定のクロークへ立ち寄り、上着や大荷物を預けてから客席へ向かってください。
演奏中のマナーとして、スマートフォンは電源を切るか完全なサイレントモードに設定し、上演中の画面点灯や写真撮影・録音は固く禁じられています。拍手のタイミングは、アリアの終了直後や幕が下りた瞬間が基本です。指揮者がまだ指揮棒を降ろしていない余韻の段階でのフライング拍手は避け、周囲の拍手に合わせるのがスマートな鑑賞法です。