話題となったエピソードの引き金となったのは、子どもたちにとって年間最大の関心事ともいえる「翌日の遠足」でした。NHK Eテレのはなかっぱにおける定番導入でありながら、天候にまつわる物語(はなかっぱの天気エピソード)は、子どもたちの純粋な欲望と自然現象の容赦なさがぶつかり合う、常に緊張感の高いプロットとして描かれます。
やまのふじ、ももかっぱちゃん、みねうちをはじめとするやまびこ村の仲間たちと「明日は絶対に晴れてほしい」と願うはなかっぱ。降り続く雨を前に、子どもたちは手作りのてるてる坊主工作に勤しみます。ティッシュペーパーや布切れを持ち寄り、童謡として知られる『てるてるぼうず』の歌詞(作詞:浅原鏡村、作曲:中山晋平)を口ずさみながら、空に向かって一心不乱に祈りを捧げました。
しかし、翌朝になっても空には鉛色の雨雲が立ち込めていました。「このままでは遠足が中止になってしまう」という絶望と、「どうしても太陽を見たい」という焦燥感が頂点に達した瞬間、はなかっぱの頭頂部に激しい異変が起こります。通常であればヒマワリやハイビスカスといった晴れを象徴する夏の花が咲くはずの場面で、ポンという小気味よい破裂音とともに姿を現したのは、首に赤いリボンを巻いた純白のてるてる坊主でした。
この異様な光景を見逃さなかったのが、やまびこ村の物陰に潜んでいたがりぞーとアゲルちゃんです。二人は「はなかっぱが極限のショックを受ければ、若返りの秘薬である『わか蘭』を開花させるに違いない」と確信。雨雲を吹き飛ばす巨大扇風機や、怪しい気象予報士への変装を駆使して、はなかっぱの心理を極限まで揺さぶりにかかります。結果として、人工的な突風とてるてる坊主の謎の共鳴現象によって雲が急速に割れ、一時的な快晴が訪れるという急展開を迎えました。しかし、目的のわか蘭は咲く気配すら見せず、てるてる坊主は役目を終えたかのように萎んで元の皿へと戻っていったのです。