毎日の炊飯時に排出される米のとぎ汁は、かつて日本家庭において自然に生活サイクルへ組み込まれていた知恵でした。生活情報メディア『grape』のライフハック特集やSNS上でも、2児の母である人気インフルエンサーらが発信する「ズボラでも整う暮らし術」の中で取り上げられ、「想像以上に万能」「洗剤代が浮く」と大きな反響を呼んでいます。
米のとぎ汁がこれほどまでに重宝される理由は、精白の過程で剥がれ落ちた米ぬか層の微粒子にあります。日本食品標準成分分析などの知見によると、米のとぎ汁にはビタミンB1、B2、ビタミンE、ナイアシン、各種ミネラルに加え、米ぬか由来の上質な植物性油脂成分が豊富に含まれています。さらに、デンプン粒子が持つ多孔質構造が汚れを物理的に吸着し、微量に含まれるサポニンなどの成分が天然の界面活性剤として機能します。
ただし、活用にあたって知っておくべき決定的な大原則が「1回目のとぎ汁と2回目以降のとぎ汁の使い分け」です。東京ガスの暮らし情報メディア「ウチコト」の調査でも示されている通り、最初に注いだ水には米の表面に付着していたホコリや微細な汚れが含まれやすいため、食用や肌に触れる用途には向きません。一方で成分濃度自体は最も濃いため、頑固な油汚れの予洗いなど掃除用途に適しています。反対に、2回目や3回目にしっかりとといだ後のとぎ汁は、粒子が細かく衛生的で、料理の下処理やスキンケアに最適な状態となります。