津市ラーメン穴場の名店を探求する上で避けて通れないのが、国道23号線や中勢バイパスから少し外れた集落や旧街道沿いに佇む店舗群です。車社会である三重県において、駅前一等地よりも「広い駐車場を確保できる郊外」に卓越した技術を持つ職人が工房を構える傾向があります。
そうした郊外型名店の象徴が、津ぎょうざラーメンの発祥として知られる「いたろう」です。津ぎょうざとは、直径15センチメートルの特大の皮で具を包み、油でカリッと揚げた津市発祥のソウルフード。いたろうでは、丁寧に引いた鶏ガラ魚介スープの中華そばに、この揚げたてアツアツの津ぎょうざを合わせるスタイルを確立しました。最初はパリパリとした皮の香ばしさを楽しみ、次第にスープを吸ってモチモチへと変化していく食感のグラデーションは、まさに現地でしか体験できない味覚のエンターテインメントです。
さらに、美里町や河芸町方面へ足を伸ばせば、古民家をリノベーションした隠れ家的な麺処や、北海道味噌を独自にブレンドした濃厚味噌ラーメンを看板に掲げる「春夏秋灯」のような実力派が存在します。観光ガイドには大きく載らないものの、地元常連客が家族連れで通い詰めるこれらの店舗にこそ、津市のラーメン文化を底支えする強靭な足腰があります。