岡田元也氏を語る上で欠かせないのが、実弟である岡田克也氏(元外務大臣、元副総理、元民進党代表など)との関係性です。日本を代表する流通王と、野党第一党の重鎮政治家という二人の兄弟関係に対しては、ネット上でも「イオンの拡大に政治的な後ろ盾があるのではないか」「兄弟で対立しているのか」といった様々な憶測が飛び交ってきました。
しかし、関係者の証言やこれまでの両者の軌跡を追うと、実態は全く逆であることが分かります。岡田家には父である創業者・岡田卓也名誉会長の時代から「政経分離(政治と経済の徹底した切り離し)」という鉄の掟が存在します。
岡田元也氏は、イオンの店舗網や従業員組織を岡田克也氏の選挙応援や政治資金集めに利用することを厳格に禁止してきました。一方で岡田克也氏自身も、政治資金規正法に抵触しない範囲であってもイオンからの企業献金を一切受け取らない姿勢を貫き、互いの立場を傷つけないよう強固な心理的境界線(バウンダリー)を引いてきた歴史があります。兄弟間の対談やプライベートな席でも、ビジネスや政治の個別案件に関する議論は避け、親族としての礼節を保ち続けているといいます。
また、四日市岡田家の家系図を紐解くと、政財界に広がる錚々たる閨閥が浮き彫りになります。岡田卓也氏の三男であり元也氏の弟である高田昌也氏は東京新聞で政治部部長などを務めたジャーナリストです。さらに姻戚関係を辿ると、衆議院議員の村上誠一郎氏をはじめとする有力な政治家・実業家一族と繋がっています。さらに、岡田元也氏の長男である岡田尚也氏も、グループ傘下のオーガニックスーパー「ビオセボン・ジャポン」の社長を務めるなど、流通ビジネスの現場で次世代を担う存在として活躍しています。