ヒロイン候補の筆頭として語られ続けるのが、王下七武海の一角であったボア・ハンコックです。彼女の純情と熱狂的な献身は多くのファンを魅了し、「ルフィ ハンコック 結婚」は連載中常にホットワードであり続けました。
原作第599話、2年間の修業を終えたルフィがシャボンディ諸島へ向けて出航する際、ハンコックは「良き妻になってみせる」と別れを惜しみます。それに対しルフィは、「飯ありがとなー!でも結婚はしねえぞ!」と満面の笑みで即答しました。さらに遡れば、女ヶ島を出発してインペルダウンへ向かう海軍船の上でも、彼女の求婚をストレートに辞退しています。
このボア・ハンコック 求婚シーンの描写が持つ意味は重厚です。ルフィは相手を傷つける悪意こそ一切ないものの、自分の意に沿わない妥協や嘘を決して口にしません。「海賊王になる」「肉を食う」ことと同様に、「結婚はしない」という意思表示は極めてフラットかつ確定的な態度として提示されています。
一部の読者の間では、「鳥山明先生の『ドラゴンボール』で、世間知らずだった孫悟空がチチの押しに負けて結婚したパターンを踏襲するのではないか」という考察が根強く語られてきました。尾田氏が鳥山氏を神と崇めている事実が、この説の後押しとなっています。しかし、悟空の結婚は「幼少期に交わした『ヨメにもらう』という約束を律儀に果たした」という特異な文脈がありました。一方のルフィは、明確に断りを入れた上で出航しており、同じ轍を踏むとは考えにくいのが実情です。