1999年、NHKの連続テレビ小説 すずらんで主演を射止め、健気で凛としたヒロインを演じきった遠野なぎこ。当時、全国のお茶の間から絶大な愛を集めた彼女だったが、カメラの回っていない私生活は壮絶を極めていた。
芸能界という過酷な世界で結果を残すことを母から強く求められ、失敗や反論は一切許されない環境。役者として高く評価されればされるほど、家庭内での支配と監視は強まっていったという。国民的ドラマの主役という光の当たる場所に立ちながら、家へ帰れば逃げ場のない暗闇が広がっている——その歪んだ二重生活が、若き日の彼女の心を少しずつ削り取っていった。