おりものの異臭には明確なタイプがあり、その質によって潜んでいる疾患を推測できる。最も頻繁に見られるのが、生魚が腐ったような魚臭(アミン臭)を放つ「細菌性膣症」だ。これは性感染症ではなく、膣内の善玉菌が減少し、水性のアクチノバクテリアなどの好気性・厭気性菌が過剰繁殖することで起こる。灰白色のサラサラとしたおりものが増えるのが大きな特徴だ。
一方で、チーズや酒粕のようなヨーグルト状おりものと激しい痒みを伴うのが「膣カンジダ症」である。真菌(カビの一種)であるカンジダ菌の異常増殖が原因であり、発酵臭のような独特の甘酸っぱい匂いを発することがある。日本産科婦人科学会や日本性感染症学会の症例データを見ても、おりものの異臭や形状変化を訴えて受診する患者の多くが、これらふたつの病気、あるいはトリコモナス原虫感染症などを発症していることが確認されている。