「リメンバー・パールハーバー」というフレーズは、日本語で「真珠湾を忘れるな」と訳されます。突如として奇襲を受けた悲劇と屈辱を記憶に刻み、敵国に対する敵対心と団結を呼びかける意味合いを持っていました。
実は、アメリカには国家的な危機に直面した際、「リメンバー・〇〇」と叫んで国民意識を一つにまとめる歴史的伝統が存在します。1836年のテキサス独立戦争における「リメンバー・アラモ(アラモを忘れるな)」や、1898年の米西戦争の契機となった戦艦メイン号沈没事件での「リメンバー・ザ・メイン」がその代表例です。理不尽な攻撃に対する報復を正当化し、国民に犠牲を厭わない覚悟を促すレトリックとして、この構図はアメリカ社会に深く根づいていました。
真珠湾での被害が報じられた瞬間、メディアや広告業界、政府関係者は過去の記憶と結びつけ、即座に「リメンバー・パールハーバー」という合言葉を定着させました。それは自然発生的な感情の爆発であると同時に、綿密に計算された国民統合のスイッチでもあったのです。