手の感覚を司る神経は1本ではありません。親指から中指、薬指の内側半分をカバーする「正中神経」、手の甲側を走る「橈骨(とうこつ)神経」、そして小指と薬指の外側半分を担当する「尺骨(しゃっこつ)神経」の3本が緻密に張り巡らされています。スマートフォン操作中に「小指と薬指だけ」にしびれが生じる理由は、尺骨神経の解剖学的な通過ルートにあります。
尺骨神経は首から腕を通り、肘の内側にある「肘部管(ちゅうぶかん)」という骨と靭帯で囲まれた極めて狭いトンネルを通過して手先へと向かいます。机の角に肘の内側をぶつけた際、指先まで電気が走るような激痛を経験したことがある方も多いはずです。あの敏感な部位こそが肘部管であり、骨のすぐ上を神経が剥き出しに近い状態で走行しています。
最大の問題は、肘 曲げると 小指 しびれる 理由がこの構造に直結している点です。肘をまっすぐ伸ばしている状態と比較して、肘を深く曲げた状態(屈曲位)では、肘部管の内圧が約3倍から5倍にまで急上昇します。同時に、尺骨神経そのものがゴムのように引き伸ばされ、強い牽引ストレスに晒されます。画面を注視するために肘を90度〜120度以上曲げたフォームで画面を支え続けることこそが、肘部管症候群 原因の最たる要素となっています。