昭和から平成、そして令和に至るまで、メディアは定期的に同性批判をテーマにした企画を打ち出してきました。「週刊文春嫌いな女ランキング」をはじめとする一連のアンケート企画は、常に高い実売数とPV(ページビュー)を記録してきた歴史があります。かつてはテレビ番組の枠組みで消費されていた「女が嫌いな女性芸能人」や「女が嫌いな女子アナ」の言動が、現在は切り抜き動画やSNS上の拡散によって即座に増幅される環境が整っています。
報道各社の過去の特集動向や世論調査を分析すると、こうした企画が成立する背景には「共有されたフラストレーションの代理発散」というメカニズムが見て取れます。大衆は、自身が日常の人間関係で抱えている違和感や理不尽さを、メディアが仕立て上げた「わかりやすい象徴」に投影します。かつて「同性ウケが悪い芸能人」としてバッシングを受けたタレントが、数年後には「芯のある自立した女性」として同性から熱烈な支持を集めるケースは枚挙にいとまがありません。人物そのものの本質が変わったのではなく、メディアの文脈付けと世間の投影内容が変化したに過ぎないのです。