モデルとして頂点を極めた彼女は、1992年にドラマ『君のためにできること』で本格的に女優デビューを果たします。90年代のトレンディドラマブームの中で、大塚寧々は「自立しながらも脆さを抱える大人の女性」を繊細に演じ分け、独自のポジションを築き上げました。
その女優人生において、国民的知名度を決定づけたのが2001年に放送されたフジテレビ系月9ドラマ『HERO』です。木村拓哉が主演を務め、全話世帯視聴率30%超えという驚異的な大ヒットを記録した本作で、大塚寧々は東京地検城西支部の検察事務官・中村美鈴役を熱演しました。
仕事に対してストイックでクール、勝村政信が演じる江上検事からの好意を巧みに受け流しつつ、芯の通ったプロフェッショナリズムを見せる中村事務官のキャラクターは、視聴者から絶大な共感を呼びました。画面越しに伝わる知性と、ふとした瞬間に見せるコミカルな表情のギャップは、作品のスパイスとして不可欠な存在となりました。この作品によって、彼女は「ビジュアル先行のモデル出身女優」という偏見を完全に打ち砕き、確かな実力派バイプレイヤーとしての地位を確立したのです。
その後も、国民的長寿シリーズとなった『Dr.コトー診療所』での西上茉莉子役をはじめ、映画『アヒルと鴨のコインロッカー』『利休にたずねよ』など、数々の名作・話題作に出演。どのような役柄であっても、過剰に誇張することなく日常の延長線上にある感情を丁寧にすくい上げる演技スタイルは、監督やプロデューサー陣から絶大な信頼を寄せられ続けています。