飛騨高山エリアには数多くの飛騨牛専門店が点在していますが、なぜ「飛騨 こって牛」だけがこれほど圧倒的な行列を作り続けるのでしょうか。現地取材と調理オペレーションの分析から、他店とは一線を画す3つの明確な強みが浮かび上がってきました。
第1の強みは、妥協のない「A5等級飛騨牛」の品質管理です。こって牛で提供される肉は、飛騨牛の中でも最高峰に位置づけられるA5ランクの希少部位。肉のきめ細やかな霜降りと融点の低い脂が特徴で、注文を受けてから職人がバーナーで表面を軽く炙ることで、芳ばしい香りとジューシーな肉汁を一気に引き出します。火を通しすぎない絶妙なレア加減が、肉本来の強い甘みと柔らかさを際立たせています。
第2の強みは、肉の旨味を引き立てる独自の味付け設計です。提供される握りには、飛騨高山の地醤油をベースにした「特製生姜醤油」、素材の甘みをダイレクトに感じられる「竹炭塩」、そして濃厚なコクが広がる「軍艦用うずら卵ポン酢ジュレ」など、部位ごとに計算し尽くされた調味料が使われています。一般的なわさび醤油だけでは味わえない、立体感のある美味しさが観光客の舌を唸らせています。
第3の強みは、米(シャリ)と酢のバランスへのこだわりです。岐阜県産の銘柄米「ハツシモ」などを使用し、人肌に近い温度でふんわりと握られたシャリは、脂の乗った飛騨牛の口どけと同時にほどけるよう設計されています。肉だけが口に残ることなく、シャリと一体となって消えていく感覚こそが、リピーターを生み出す最大の原動力です。