山菜採りの名産地やプロの料理人が大量の収穫物を越冬させる際に用いるのが、古来の知恵である塩漬けと乾燥です。適切に処理された保存食は、1年後の春が訪れるまで品質を保ち続けます。
失敗しないわらび塩漬け方法(二度漬けのプロ技)
わらび塩漬け方法で失敗しない最大の鍵は、塩分濃度をケチらないことと「二度漬け」を行う点にあります。
まず、アク抜きを行っていない生に近いわらび(あるいは熱湯をサッとかけた程度の下処理段階)の重量に対し、15〜20%の粗塩を用意します。容器の底に塩を振り、わらびと塩を交互に重ね、最後に一番上を塩で覆ってから重石(わらびの重量と同等〜1.5倍)を載せます。数日で水分(白梅酢のような上がり水)が上がってきます。
約1〜2週間後、一度取り出して水気を軽く絞り、今度は20〜25%の新しい粗塩を使って再度漬け直します(本漬け)。この二段階の脱水処理により、雑菌の繁殖を完全に抑え、冷暗所で約1年間の常温・冷蔵保存が可能になります。食べる際は、たっぷりのぬるま湯に数時間浸し、途中で2〜3回水を替えながら塩分を抜いて使用します。
旨味を凝縮させるわらび乾燥保存のステップ
もう一つの伝統手法がわらび乾燥保存です。しっかりとわらびアク抜きを施したわらびを、晴天が続く日に天日干し用ネットに重ならないよう並べます。水分が完全に抜けるまで2〜3日かけてカラカラになるまで乾燥させます。
乾燥わらびは湿気を避けて保存袋に乾燥剤とともに入れておけば、常温で1年以上持ちます。戻す際は、鍋にぬるま湯とひとつまみの重曹を入れて弱火でじっくり温め、そのまま冷めるまで置くことで、干し椎茸のような濃厚な出汁が出る絶品の煮物素材へと蘇ります。