ネット上のコミュニティやSNSでは、「世界ランキングが高い=次の五輪や世界大会で確実に勝てる」という短絡的な見方が散見されます。しかし、現場の取材を重ねると、ランキングの数値と短期決戦のトーナメント勝負の間には明確なギャップが存在することが分かります。
代表的な誤解が「ポイントを維持するための主力酷使問題」です。現行システムでは、ランキングポイントを落とさないためにVNLでも常にベストメンバーを出し続ける誘惑に駆られます。しかし、過密日程で主力を酷使した結果、本番の世界大会直前に疲労骨折やコンディション低下を引き起こす事例が後を絶ちません。
逆に、ブラジルやアメリカなどの伝統的強豪国は、ランキングの多少の低下を織り込み済みで、VNL予選ラウンドを大胆な若手のテストと戦術実験の場として割り切る傾向があります。「目先のポイントを死守しつつ、いかに選手層を厚くして本番にピークを合わせるか」。これこそが、数字の表面だけでは見えてこない国際バレーボールの構造的ジレンマです。