2026年の現在、公明党はかつてない孤立とアイデンティティの再定義を迫られています。2026年秋の連立離脱以降、政界の力学は大きく塗り替えられました。対中強硬姿勢を鮮明にする保守派勢力が主導権を握るなか、公明党が誇ってきた「与党内の対中パイプ」という最大のセールスポイントは、急速にその実効性と存在意義を失いつつあります。
党執行部は現在も、若手議員を中心とする訪中団の派遣や文化・教育交流の継続を模索しています。しかし、中国側が求めているのは「日本政府の意思決定に直接影響力を行使できる公明党」であり、野党へと転落した、あるいは影響力を減退させた公明党に対して以前のような破格の歓待を続ける保証はありません。中国共産党は極めて冷徹なリアリズムで動く組織です。
習近平政権が台湾有事への布石を急速に強めるなかで、公明党が掲げる「日中友好」のお題目は、日本国民にとって安心材料どころか、防衛の足枷として映るリスクを孕んでいます。歴史的遺産を食いつぶしながら「友好」の二文字を繰り返すのか、それとも自由と民主主義、法の支配という普遍的価値を守るために毅然とした対中対話を打ち出せるのか。2026年、公明党の対中外交方針はまさに死活的なテストを受けています。