秋葉原や中野の中古カメラ店、あるいはフリマアプリでは、2000年代前半に発売された「300万〜600万画素クラスのコンパクトデジタルカメラ(オールドデジカメ)」が品薄状態を続けています。当時の販売価格から値崩れせず、むしろ1万円台後半でプレミア取引される機種も珍しくありません。
都内の中古機材専門店スタッフは現場の状況をこう証言します。
「週末になると、高校生や大学生の若いお客様がひっきりなしに来店され、『Cyber-shotやIXYの昔のモデルはありますか?』と尋ねられます。レンズに小さな傷があったり液晶が黄色く変色していたりしても、『むしろその粗さが可愛い』と飛ぶように売れていきます」(秋葉原・中古カメラ取扱店チーフバイヤー)
SNSやコミュニティ掲示板で実機ユーザーの声を集約すると、共通して語られるのは「失敗すら愛おしい体験」です。
・「スマホだと何十枚も連写して一番盛れたものを選ぶ作業に疲れてしまう。オールドコンデジだと画面も小さいし、家に帰ってスマホに取り込むまでどう撮れたか分からないドキドキ感が楽しい」(20代・大学生の投稿)
・「肌の毛穴までくっきり写る最新スマホの内カメラは正直しんどい。昔のCCDセンサーのぼんやりした写りのほうが、肌が綺麗に見えて自然に笑える」(10代・専門学生の手記)
完璧すぎる画質がもたらす「見えすぎることへのストレス」から逃れ、偶然撮れてしまったブレや粗い発色を個性として楽しむ文化が定着しています。