『Work It』を初めて聴いた際、多くの人が耳を疑ったのがサビの後半部分です。一度聴いたら耳から離れない「イスレヴァナフィッピナン…」というカタカナ表記すら難しい不思議なフレーズは、長年「何語なのか」「アフリカの呪文ではないか」と様々な憶測を呼びました。
この正体は、直前のフレーズである「I put my thing down, flip it and reverse it(アタシのモノを置いて、裏返して、逆再生する)」というボーカルトラックを、言葉通りそのまま逆再生(Reverse)した音声です。逆再生された文字をアルファベットで表すと「Ti esrever dna ti pilf, nwod gnaht ym tup I」となります。
Work Itの歌詞の意味と和訳を紐解くと、当時男性優位だったヒップホップシーンにおいて、女性が自らのセクシュアリティや主導権を誇示する極めてパワフルな内容となっています。見た目の美しさや体型に対するステレオタイプを打ち破り、「主導権を握るのは私自身」と高らかに宣言するメッセージは、2020年代以降のボディポジティブやフィメールラッパーの台頭を20年も先取りしていました。