鉄道ファンの間やSNS上で時折話題になるのが、「山手線は外回りの方が内回りより速く走っているのではないか」という噂です。この言説の真偽について、線路構造とダイヤ設定の裏側を検証しました。
結論から言うと、走行スピードやダイヤ上の標準所要時間に外回りと内回りで意図的な差は設けられていません。物理的には、外回りの線路の方が円の外側を通るため、1周あたりの走行距離は内回りよりも数十メートル長くなります。しかし、電車が走行する際の最高速度(90km/h)や駅間の加減速パターンは統一されており、所要時間の差は誤差の範囲内に収まります。
それでも「外回りの方が速く感じる」利用者が多い背景には、並行する他路線の乗り換え構造が関係しています。例えば渋谷駅や新宿駅では、埼京線や湘南新宿ラインのホーム改良工事が進んだ結果、外回り電車との乗り換え動線が短縮され、乗車までの心理的ストレスが軽減されたことが体感速度に影響を与えています。
また、都心移動における最大の盲点は「山手線だけで完結させようとすること」です。池袋から東京へ向かう場合、山手線外回りでは約25分かかりますが、東京メトロ丸ノ内線を使えば約17分で直行できます。山手線外回りのルートを把握した上で、地下鉄や快速線を柔軟に組み合わせることが、東京の移動を制する最大の鍵となります。