ぶどうは品種の系統によって果皮の厚さや果肉の水分量、脱粒のしやすさが大きく異なります。品種ごとの特性に合わせた個別のアプローチを把握しておきましょう。
贈答品の主役であるシャインマスカットの正しい保存方法では、最大の魅力である「皮のパリッとした硬質的な弾力」をいかに損なわせないかが焦点となります。ヨーロッパ系品種の血を引くシャインマスカットは、比較的脱粒しにくく日持ちする部類ですが、乾燥には極めて脆弱です。軸カット保存を施した上で、密閉容器をさらにポリ袋で包んで野菜室へ入れると、3週間後でも皮が弾けるフレッシュな歯ごたえをキープできます。黄色みがかった完熟粒は糖度が20度前後に達している証拠ですが、その分足が早いため優先して消費してください。
一方、日本古来の王道である巨峰を長持ちさせる保存手順は、繊細な水分管理が求められます。アメリカ系の性質を持つ巨峰は、果肉が柔らかく果汁が極めて多いため、自重や乾燥による脱粒が起きやすい品種です。房のまま置いておくと数日で粒がポロポロ外れてしまうため、購入当日にすべてハサミで小分けにする作業が欠かせません。巨峰特有の濃厚な紫黒色の皮にはポリフェノールとブルームがぎっしり詰まっています。手で過度に触れてブルームをこすり落とさないよう、軸の部分をつまんで手際よく作業を進めるのが秘訣です。