一切の現地立ち入りが封鎖された現在、島の内部を知る唯一の手段となっているのが商用高解像度衛星写真やGoogle Earthです。画面越しに見る北センチネル島は、面積約60平方キロメートルのほぼ全域が深い原生林に覆われ、近代的な人工建造物は一切確認できません。
衛星写真上でひときわ目を引くランドマークが、島の北西部リーフ(サンゴ礁)に座礁している大型貨物船「プライムローズ号(MV Primrose)」の残骸です。1981年に嵐で座礁した同船の乗組員は、弓矢を持って迫る島民に包囲され、ヘリで間一髪救出されました。現在も赤く錆びついた船影が衛星画像から鮮明に確認でき、島の隔絶性を物語る象徴となっています。
現在のセンチネル族の人口規模については、最新の人類学的推計でもおよそ50人から150人前後と幅を持たせた数字しか公表されていません。政府は国勢調査を行う際も、遠方の洋上から双眼鏡を使って海岸線に現れた人数を概算する「アイズ・オン、ハンズ・オフ(目は離さず、手は触れず)」の手法を徹底しています。
2026年現在も島の自然環境は極めて安定しており、彼らは数万年前と変わらぬ狩猟採集生活を自給自足で営み続けていると見られています。