1990年代初頭、日本のテレビドラマ界は「トレンディドラマ」の黄金期を迎えていました。その中心で時代を牽引したのが、織田裕二さん、加勢大周さん、そして吉田栄作さんの3人からなる「トレンディ御三家(平成御三家)」です。連日連夜、雑誌の表紙を飾り、出演ドラマが高視聴率を叩き出す狂乱のなか、吉田栄作さんは甘いマスクの奥にどこか尖った反逆児の匂いを漂わせる唯一無二のポジションを確立しました。
当時の大衆を熱狂させた吉田栄作の代表作ドラマといえば、1991年にフジテレビ系で放送された『もう誰も愛さない』を挙げないわけにはいきません。毎回予想を裏切る衝撃的な展開が連続することから「ジェットコースタードラマ」と命名された本作において、吉田さんは愛と野望の狭間で翻弄される主人公・沢村卓也役を熱演しました。初回から最終回に向けて視聴率は右肩上がりに上昇し、最高視聴率は23.8%を記録。共演の田中美奈子さんや山口智子さんらとともに繰り広げたサスペンスフルな愛憎劇は、当時の夜の街から若者を消したと言われるほどの熱狂を生み出しました。
俳優業と並行して挑んだ音楽活動でも、その勢いは止まりませんでした。1989年にシングル『どうにかなるさ』で歌手デビューを果たすと、自らのロック魂を前面に押し出した楽曲を次々とリリース。日本武道館での単独ライブを満員にするなど、マルチなカリスマとして若者の頂点に登りつめたのです。